皆さんのお店では毎週入荷する新商品をどのように陳列していますか?
今回は売上を上げてくれる新商品をどのように売り込むのかを紹介します。興味のある方は、下のリンクの記事も参考にして実践してみてください。
【重要】コンビニ 生き残り戦略 新商品で売上を上げる【商品の選び方編】
コンビニ勤務8年の僕も今まで新商品の陳列の仕方をいろいろと試行錯誤してきましたが、現在行っている陳列方法に行きつきました。売り場の陳列方法を変えることで商品の売れ方は驚くほど変わります。今回は新商品(主にドライ系)の陳列方法に絞って紹介していきます。
~プロフィール~
コンビニ未経験から店舗責任者として勤務
店舗をよくするために試行錯誤を繰り返す
3年目に売上対初年度比120%を達成、店舗別売上で支店1位になる
4年目以降も110%台をキープ
勤務歴8年
新商品の陳列方法
その①:まとめて目立つ場所に陳列する
その②:売りたい商品は複数展開する
その③:販促物を活用する
その④:売れ残りを逃がす場所を考えておく
順に解説していきます。
その①:まとめて目立つ場所に陳列する
皆さんのお店はほとんどがCVS本部の決めた棚割になっていると思いますが、僕は売上を上げるために一部この棚割を壊して商品を陳列しています。
本部の考えた棚割りは素晴らしいと思いますが、新商品を展開する為に設けられているスペースは各カテゴリーごとに分かれいるのが一般的です。個人的な考えですが、そのスペースに新商品を展開して販促物で飾っても、いまいちインパクトがない気がします。
インパクトがあればお客様もわかりやすく、楽しく買い物ができるはずです。楽しく買い物ができれば購入額(客単価)も増えるはずです。
そこで僕はインパクトを出すために”新商品をまとめてみよう”と考えました。バックエンド2本をまるまる新商品陳列用の棚にしました。3本あるリーチイン飲料棚ど真ん中の一番目立つ場所2段分も新商品陳列用にしました。
新商品をまとめた結果
・新商品の発注量が増えた
当然ですが目立つところに商品を展開すればよく売れます。今まで発注していた新商品の量ではすぐに棚がスカスカになってしまったので発注量を増やしました。よく売れるようになったということは新商品コーナーが以前よりもお客様にわかってもらいやすくなったということでしょう。お客様満足度も上がっていっていると考えられます。
新商品を出すメーカーは自社の新商品をたくさんの店舗に採用してもらうために初回発注に限り原価を通常よりも安くしていることがよくあります。新商品の発注量が増えることで仮に日販が変わらなくても、販売の中に占める新商品の割合が高くなるので荒利が上がることになるのです。さらにいうと、お客様は新商品をついで買いで買っていくことが多いので、客単価が上がります。つまり新商品を目立つところに展開すれば日販も上がり安くなるということです。
・入荷準備、陳列の効率が良くなった
各カテゴリー毎に新商品の陳列場所を確保するのは入荷する新商品ごとにどのコーナーに陳列するか考えなければなりませんし、毎週採用される新商品をカテゴリーごとに分類するとそのアイテム数は毎週違います。その度に既存の商品をずらしたり、広げたりと手間がかかってしまいます。
新商品売り場をまとめることで入荷前にその売り場だけを一掃しておけば、陳列もスムーズに行えます。
新商品入荷後の仕分け効率も上がります。以前は既存商品に混じって入荷する新商品を分別しさらに各カテゴリーの棚まで持っていく作業が必要でしたが、新商品棚をまとめることにより、既存品以外は新商品棚に持っていくだけで陳列作業に取り掛かることができるようになりました。
お客様満足度、日販、荒利、仕事の効率があがる。最高です。
その②:売りたい商品は複数展開する
ここからはさらに新商品の販売数を増やすテクニックを紹介します。複数展開です。新商品をさらにお客様の目に留まるようにするかがカギです。
既存の売れ筋商品やついで買い商品を複数展開するように、強く売り込みたい新商品を複数展開する手法です。レジ前や催事台の活用、通路を使ったジャンブル展開で販売数をさらに増やせます。
CVS本部の棚割りのように各カテゴリーの棚にも複数展開するのもありです。
フックに掛けられる商品などはサイドネット展開も効果的です。フックに掛けられない商品も100均に売っているワイヤーネット用のラックなどを使えばサイドネットに陳列できます。
冷蔵のオープンケースが空いているときは、冷えていても問題ない商品(チョコレート菓子など)を陳列するとよく売れます。
店舗を見渡してみて複数展開できそうな場所を探してみてください。いろいろなアイディアがでてくるはずです。
その③:販促物を活用する
これも販売数を増やす方法です。商品の前に着けるPOPなどを積極的に活用しましょう。CVS本部から送られてくるPOPはもちろんのこと、店舗でもどんどんPOPを作って販売促進していきましょう。お勧めの文言は”新商品”、”先行販売”、”数量限定”、”売れてます”などです。販促物に関する内容はまた別の記事で詳しく紹介しようと思います。
その④:売れ残りを逃がす場所を考えておく
新商品売り場に同じ商品を展開できる期間は1週間です。次の週にはまた別の新商品が入荷します。通常であれば、次の新商品を展開しやすくするためにも新商品は1週間で売り切る量にしておくべきと考えるかもしれませんが、展開から6日目にも新商品棚を見栄えよく保たないと売上は伸びません。見栄えよく保つ為には6日目もある程度の在庫が残っている状態になります。ですので7日目に次の新商品を陳列する場所をあけるために、残った在庫を展開する別の場所を確保する必要があります。
別の場所とは各カテゴリーの棚です。売れ残った商品は各カテゴリーの棚に逃がしていきます。そのために各カテゴリーの既存商品は一部でいいので2列展開などをして、売り場に余裕を持たせておきましょう。
この作業はどちらかといえば非効率ですが、前述した通り新商品は荒利を上げてくれます。1週間ではなく2週間分を目安に発注するほうが絶対お得です。
追記
週によっては、2週間の販売数を目安に発注したつもりだったけど、思いのほか売れてしまって棚が空いてしまうこともあるでしょう。小売業にとって商品棚が空いている状態は一番やってはいけないことです。そのままにしておくのはやめましょう。そんな場合の対応策は次の2つです。
当週の新商品を追加発注する
思ったより売れている商品を中心に追加発注します。注意点は原価です。初回発注のみ原価が安くなっている商品の場合、追加発注のメリットはあまりありません。
既存の売れ筋商品を展開する
新商品の追加発注があまりメリットがない場合は既存の売れ筋商品を展開して次週の新商品入荷を待ちましょう。既存の売れ筋商品は一定の需要がある商品なので次回新商品入荷までの間お客様の満足度を最低限維持してくれるでしょう。
何度も言いますが、スカスカの棚を放置するのだけはやめましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。生き残りをかけた戦いはすでに始まっています。できることから実践していきましょう。