コンビニで採用される新商品の数は年間でどれくらいになると思いますか?
CVS本部によって多少異なるとは思いますが、約5000種類ほどになるそうです。これを週で考えると約100種類になります。毎週約100種類の新商品が店頭に並ぶと考えたらその売り場を管理するのも一苦労でしょう。
ではなぜコンビニは毎週約100種類の新商品を採用するのでしょうか?
新商品を採用することでお客様の来店動機となり客数アップにつながります。そして新商品はお客様のついで買いを促進し客単価もアップします。
客数と客単価は、どちらも売り上げに直結する大事な要素です。コンビニにとって新商品を採用し続けることは売上を上げていく大事な手法の一つということです。
今回は”売上を上げる新商品の選び方”について解説していきたいと思います。
コンビニの新商品は毎週約100種類ほど採用できますが、全てを採用していたら大変です。物量的な大変さもありますが、入荷後の管理の大変さが大きいと思います。
入荷後の管理とは、商品を売り切るまでの手間です。商品が予想以上に売れ残ってしまうと商品を売り切る為に陳列場所を考えたり、値引きしたり、廃棄処分したりといろいろと追加の労力が発生します。
だからと言って新商品を減らすと売上が下がる要因になります。つまり
新商品を採用して売り上げを上げていきつつ、追加労力を最小限にする方法が理想と言えるでしょう。では理想の状態にするための採用手順を紹介します。
~プロフィール~
コンビニ未経験から店舗責任者として勤務
店舗をよくするために試行錯誤を繰り返す
3年目に売上対初年度比120%を達成、店舗別売上で支店1位になる
4年目以降も110%台をキープ
勤務歴8年
新商品の発注方法
その①:採用か不採用かを決める
その②:発注数を決める
その③:結果を検証して活かす
順に解説していきます。
その①:採用か不採用かを決める
まずは商品ごとに採用か不採用かを決めます。コンビニのゴンドラ数は限られているので、あまりたくさんの種類を採用してしまうと全ての種類を陳列できない可能性があります。カテゴリーごとに陳列可能な上限数を把握しておけば採用の可否を決める際にいい指標になります。カテゴリーにもよりますが、僕は基本的には、1つの商品を2列~3列で陳列すると想定して棚割を考えています。
各カテゴリーの採用数の上限が決まったら、商品を選んでいきます。商品の選び方をいくつか紹介します。
過去に売れた実績のある商品または類似品
店舗で過去に売れた商品は比較的売れやすいでしょう。それは店舗の周辺の環境の変化にもよりますが、客層が変わっていない可能性が高いからです。
最近、話題の商品
よほど人気の商品でない限り大量にとることはお勧めできませんが、品揃えはしておいたほうがいいでしょう。トレンドに軽く乗っかってみることは重要です。きっと売上アップに貢献してくれるはずです。
気を付けてほしいのは”売れたからといって追加で注文しすぎない”ことです。急に人気が出た商品はたいてい急に人気がなくなります。引き際を早めに設定して売れ残らないように工夫しましょう。
売れそうな気がする商品
これは売れ残りのリスクが高い選び方ですが、自分の感覚を鍛えるのに効果的です。「この商品は過去に類似品の実績もないので参考になるデータがないけど、結構売れそうな気がする。」こういった商品があったら採用しましょう。売れれば狙い通りですし、売れ残ればなぜ売れなかったのか検証し次に活かしましょう。
値入率の高い商品
これは売上の先にまで着目した発注方法です。値入率の高い商品は同じ売上高で利益を多く出してくれます。新商品の中には普段より値入率の高い商品があったりしますので採用の可否を決める時は値入率も大事な情報の一つです。値入率が高く賞味期限の長い商品は在庫を抱える前提でたくさんとってしまうのもありかと思います。
自店で売れ行きのいいカテゴリーの商品
店によってカテゴリー別の売上構成比は異なります。自店の売れ行きいいカテゴリーは把握しておきましょう。売れ行きのいいカテゴリーの新商品がたくさん採用出来る時は在庫を抱える前提でたくさんとってしまうのもありかと思います。
新しく挑戦できそうな商品
この選び方はリスクを伴いますが、月に1回以上はやってみてほしい選び方です。今まで売れないだろうと思い発注をためらっていた商品を採用してみるのです。数量は最小限でOKです。最小リスクをとりながら開拓は続けていきましょう。
カテゴリーごとの陳列可能な上限数を下回ったら
新商品の種類は大いにこしたことはありません。陳列できそうなら次に売れそうな商品を選びましょう。
その②:発注数を決める
発注数を決めるための基本の目安は2週間で売り切る量にすることです。新商品の売れ行きは通常1週目が一番高く、2週目から落ち始め、3週目から売れなくなります。よほどヒットした商品は売れ続けますが、ごくまれです。
過去に発売した新商品の販売実績などをもとに発注数量を決めていきましょう。
例外。その①でもでてきた値入率の高い商品と売れ行きのいいカテゴリーの商品に関しては2週間分の発注量ではもったいない(もっと売れたかも)ことになる可能性があります。
1か月~2か月くらいの販売計画量を発注してみるのもありかと思います。あまりリスクをとりたくなければ3週間分くらいから様子を見てみてもいいかと思います。
その③:結果を検証して活かす
ここが一番重要です。検証しましょう。自分がこの商品は2週間で何個売れるだろうと予想した量が適量だったかどうかを確認します。1週間で売り切れていたら、自分が思ったより商品の魅力があったのかもしれません。2週間で売れ残った商品は自分が思ったより商品の魅力がなかったのかもしれません。
この検証作業はあくまで”かもしれない”という範囲で行ってください。なぜかというと商品の売り上げを左右する要素は商品力だけではないからです。商品を売る立地、時期、配置、売り込み(販売促進)などいろんな条件や要素で商品の売れ方は変わるからです。
(商品の売れ行きを左右する要素はまた別の記事で紹介しようと考えております。)
検証が終わったらその結果を自分でわかるようにまとめておきましょう。この検証結果を蓄積していくことでお客様の傾向がわかってきます。自店のお客様が良く購入するであろう新商品を品揃えできればきっとお客様は定着しヘビーユーザーになってくれることでしょう。
新商品の陳列方法も紹介してます。興味のある方は見てみてください。
【重要】コンビニ 生き残り戦略 新商品で売上を上げる【陳列編】
最後まで読んでいただきありがとうございます。生き残りをかけた戦いはもうすでに始まっています。できることから実践していきましょう。