コンビニに立ち寄った時、”この店なんか居心地わるいな”と思ったことありませんか?
逆に”居心地いいな”と思う店もあるでしょう。後者の例としてはオープン間もない店舗などがあげられると思います。いったいその違いはなんでしょうか?霊的ななにかでしょうか?きっと違います。違いの一つとして、開店して時間がたてばたつほど店舗全体の汚れや劣化が進んでいっているからです。モノの劣化を止めることはできません。では何ができるのか?
クリーンネスです
断言します。クリーンネスが行き届いていないコンビニは生き残れません。
コンビニ運営をするにあたっての柱の一つがクリーンネスです。ではどの程度クリーンネスが行き届いて入ればよいのか?CVS本部が店舗清掃のマニュアルを用意していると思いますが、各店舗によって実際に行っている清掃内容はまちまちだと思います。マニュアルに書かれている内容をバカ正直にやったらいくら時間があっても足りません。持論になりますがクリーンネスに決まった定義はありません。
僕の基準としては「お客様が気持ちよく買い物ができる環境を維持すること」です。定義がないのでおろそかになりがちです。数値としての可視化もしにくいでしょう。しかし重要な要素です。「きれいなお店」と「汚いお店」あなたはどちらで買い物したいですか?
売り場はオーナーのものではなくお客様の買い物の場です。店に汚い印象をもったお客様が再来店する確率は上がるでしょうか?きっと下がります。でもお客さんは従業員に”この店汚いからもう来ないね”なんて言ってくれません。気づかぬうちにお客様を失っているかもしれません。
店で働いているオーナーや従業員は店の環境に慣れてしまっているので見落としがちな箇所もあるのではないでしょうか?
というわけで、今回は店舗のクリーンネスについて解説していきます。
CVS本部のマニュアルと重複する箇所もあるかと思いますが、ここだけは押さえておいてほしい箇所と方法をあげていきます。普段の清掃にプラスαできそうなものはないかな?という視点で読んでもらえたら嬉しいです。みなさんの店舗でもできそうなことがあれば、是非やってみてください。
~プロフィール~
コンビニ未経験から店舗責任者として勤務
店舗をよくするために試行錯誤を繰り返す
3年目に売上対初年度比120%を達成、店舗別売上で支店1位になる
4年目以降も110%台をキープ
勤務歴8年
ではお客さんの立場にたってお店のどのような箇所の汚れが不快感につながるのか確認してみましょう。
クリーンネスチェック箇所
- 出入口まわり
- 買い物かご
- トイレ
- ゴミ箱
- 床
- 商品棚
- レジまわり
- 通用口まわり
順に詳しく解説していきます。
出入口まわり
来店するお客様が必ず通るのが出入口です。ここが汚れていては、出ばなをくじかれたようなもの。出入口まわりに汚れやゴミが落ちていないかチェックしましょう。風の強い日や雨の日は特に注意が必要です。
駐車場がある店舗は外の敷地にまで目を配りましょう。営業しているとなかなか外まで目が行き届きませんので、定期的にチェックできるしくみをつくりましょう。
外壁、ガラス面もそのままにしておくと徐々に汚れていきます。定期的な清掃をお勧めします。
買い物かご
たいていのお客様は入店してまず最初に買い物かごを手に取ります。買い物かごが汚れていたら、お客様の購入意欲は下がります。”このお店の買い物かご汚いから今日はたくさん買い物するぞー!”なんて人いませんよね?
あたりまえですが、お客様は買い物かごに入れた商品を購入してそれを持ち帰るのです。購入後、自分の所有物になるモノを汚れた買い物かごに入れたいお客さんはいませんよね。できれば毎日拭きあげて、きれいにしましょう。買い物かごは頑丈ですが、長い期間使用すると割れたり破損したりすることがあるので注意しましょう。
トイレ
トイレは毎日何回もチェックが必要です。トイレのクリーンネスはたいていCVS本部がしっかりとしたマニュアルを用意していることが多いと思いますのでそれに沿った清掃をすればよいかと思います。
しいて言うなら匂い対策にはもうすこし力をいれるべきかというところです。据え置きタイプの消臭剤を設置している店舗はよくありますが、プラスでスプレータイプの消臭剤もお勧めします。スプレータイプはお客様が使える状態にするとすぐなくなってしまうので、掃除用具と一緒に保管して清掃後に使用するとよいかと思います。スプレータイプのほうがやはり強力で即効性があります。据え置きタイプとスプレータイプの二刀流をお勧めします。匂いつきのものは万人受けしないので、無香料のものがいいでしょう。
また古い店舗や建物の中の店舗では下水のような匂いがするトイレもあります。換気扇などによって空気が排水管から上がってきている為です。排水管トラップの有無、壊れなどをチェックしてみましょう。本部や施工会社に相談してみるのもいいでしょう。契約の種類などで違いはあるかもしれませんが、無償であったり案外安くで解決できるかもしれません。
ゴミ箱
ゴミ箱やその周りも毎日何回もチェックしましょう。すぐ汚れます。人間の心理なのかわかりませんが、お客様は汚れたゴミ箱にはゴミを雑に捨てます。きれいなゴミ箱にはきれいに捨てる傾向があります。ゴミ箱をきれいにしておけばゴミをきれいに捨ててもらえる確率が上がるため、清掃や回収の手間も減り好循環が生まれます。ゴミ問題で悩んでいる店舗は今まで以上のゴミ箱周りクリーンネスをやってみてください。ゴミの捨てられ方が変わるかもしれません。
場所や経費に余裕があれば飲み残しや氷を捨てられる場所をつくると尚いいかと思います。
床
床は毎日きれいにしましょう。たいていの店舗の床はタイルだと思いますので、掃き掃除、クロス掛け、モップ掛けできれいになるでしょう。雨の日は入り口付近の床が濡れて滑りやすくなるので対策が必要です。からぶき用のモップなどを使うのが良いかと思います。見落としがちなのが什器や機器の下、レジ下です。油断するとすぐホコリや髪の毛がたまります。注意しましょう。
商品棚
商品棚もすぐホコリまみれになります。下段のほうは商品もほこりまみれになりがちです。継続的な清掃を心がけましょう。時間に余裕があれば商品や仕切りを棚からすべて取り出して清掃することをお勧めします。格段にきれいになります。清掃した後に棚用のワックススプレーなどでコーティングすると次回の清掃が楽になります。什器の足回りも忘れずに清掃しましょう。売り場の棚を一気に清掃するのは難しいと思いますので、隙間時間での清掃をお勧めします。
自店では棚清掃を継続して行うために、店舗の見取り図を作成して使っています。見取り図で清掃が終わった棚のわくを塗りつぶしていくというやり方です。塗りつぶすかわりに清掃した人の名前と日付をかいていくのもいいかと思います。進捗状況が把握しやすいですし清掃漏れがなくなります。見取り図がすべて塗りつぶされる頃には最初に清掃した箇所にはまたホコリがたまっていますので新しい見取り図で再スタートしています。
どの店舗でも1日の中で閑散とする時間帯があるはずです。その時間に見取り図を見ながら清掃をすることで効率よく継続的に清掃できるでしょう。
レジまわり
レジは商品を購入されるお客様が必ず来る場所です。つまり出入口の次にお客様の目につく箇所になります。以前はお客様が触れるのはレジ画面くらいでしたが、最近ではセルフレジ化が進みお客様が商品をスキャンしてお買い物をするような店舗もでてきました。セルフレジ化は今後更に進んでいくでしょう。
お会計をするときに、目の前のレジが汚れていて印象が良いはずないですよね?しかしレジの汚い店は意外にたくさんあります。普段行くコンビニのレジを見てみてください。きっと汚れています。手垢で黒ずんでいたり、隅にホコリがたまっていたり、画面が汚かったり、レジをまじまじと見てみると意外に汚れている箇所があるものです。黒ずみはメラミンスポンジを使うと簡単に落とせます。メラミンスポンジはかなり万能です。スキャナーのコードなどもきれいになります。ですが使用してはいけない場所もあります。画面や透明なプラスチック製の部分にはメラミンスポンジは使わないようにしましょう。傷がつくことがあります。きれいにした後は商品棚清掃で紹介したワックススプレーを使えば手触り感もよくなります。
お客様がちらほらいてレジから離れにくいけど、並ぶこともないような客数の時間帯で清掃すると効率よく習慣化できると思います。
通用口まわり
従業員しかつかわない通用口まわりは注意が必要です。清掃がおろそかになりがちな箇所№1です。売り場側は通用口を使わないお客様からも見えています。知らず知らずのうちに汚れていきますし、入荷した商品の出し入れに使ったりするので、台車などで傷ついていることもあります。お客様から見える側だけでも清掃するようにしましょう。
補足 清掃と同じく日ごろから注意してもらいたいことがあります。それは備品や在庫の置き場です。つまりお客様には直接的に見えなくていいモノの置き場です。お客様に見えなくていいものが売り場に置いてある店舗は結構たくさんあります。店舗で働いているとどうしてもお客様目線ではなくなってしまうので、売り場の見えるところに備品や在庫があっても違和感を感じなくなります。しかしお客様には見えています。違和感ありです。売り場はお客様が買い物をする場所です。どうしてもお客様の見える位置に置いておかなければならないもの以外は隠すもしくは置き場をかえましょう。そうするだけで売り場の見た目は激変します。他店との差別化のためにも是非やってみてください。
長々とクリーンネスについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?今一度、店舗を見回してみてください。清掃したほうがよさそうな箇所が見えてくるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。生き残りをかけた戦いはもうすでに始まっています。できることから実践していきましょう。
【これからのコンビニ】僕の考えるコンビニの未来【近い未来こうなるかも】
~Let’s start now from what we can do~