店舗で取り扱う商品を選ぶ際に最も重要なのことはニーズのある商品を品揃えすることです。ニーズにある商品を探す手段はいくつかあります。大手CVS本部のデータに基づいた商品選択などもその一つです。
今回紹介するのはリアルに店舗に来店したお客様の声を参考にして商品を選ぶというやり方です。いまや全国に5万店以上あるコンビニ全てで毎日同じ商品が同じ数は売れません。各店舗の立地や客層が異なるからです。
実際に来店したお客様のニーズを知ることができれば商品の選定はしやすくと思いませんか?今回はお客様の声から新規商品を開拓する方法を紹介します。
~プロフィール~
コンビニ未経験から店舗責任者として勤務
店舗をよくするために試行錯誤を繰り返す
3年目に売上対初年度比120%を達成、店舗別売上で支店1位になる
4年目以降も110%台をキープ
勤務歴8年
お客様のニーズを知る
その①:積極的に声をかける
その②:従業員にも協力してもらう
その③:実績を検証して次に活かす
順に解説します。
その①:積極的に声をかける
お客様側から取り扱い商品について訪ねてくることは稀です。コンビニのような売り場面積の狭い店舗では店員に聞かずとも、ひと通り店内をまわれば探している商品の有無がわかるからです。お客様から声をかけてくるケースの大半は”探すのがめんどくさい”もしくは”緊急を要する時”ぐらいでしょう。
これではお客様の声が聞けません。ですので僕は売り場をぐるぐる、きょろきょろしているお客様を見つけたら”何かお探しでしょうか?”などと積極的に声を掛けるようにしています。たまに”大丈夫です(苦笑)”と拒否される場合もありますが、たいていのお客様は探しているものを教えてくれます。
その商品が自店で取り扱いのあるものであれば売り場まで案内します。取り扱いがない時は謝罪した後、すぐに裏に行ってお客様が探していた商品の詳細をメモに取ります。これを繰り返します。
繰り返している自店に来店するお客様がほしいものがわかってきます。そして目安として3件以上問い合わせがあった商品を採用していくのです。
その②:従業員にも協力してもらう
共に働く従業員に”何かを探している様子のお客様には積極的に声かけしてください”とお願いしてもなかなかしてもらえないでしょう。なので従業員には”お客様から商品の問い合わせを受けて商品の有無がわからないときは僕に相談してください”とお願いしています。そうすることでより多くのお客様の声を集めることができます。
少し過去の話をします。
コンビニに勤務する以前の僕はあるホームセンタ-の社員でした。このホームセンターの社長はお客様のニーズを知るためにおもしろいことをやっていました。
社長はお客様の声をとても大事にしていました。しかし普段社長は店舗にはいないため直接お客様の声が聞けません。なので、お客様の声を従業員に集めてもらう仕組みを作りました。お客様から商品の問い合わせがあった際はその詳細をあらかじめ用意された用紙に記入して社長に提出するというものです。この用紙は問い合わせ日時やお客様の特徴や問い合わせ商品の内容をことこまかに記入できるようになっていました。
そして社長は毎日全店から送られてくるこの用紙全てに目を通し、必要であると判断した商品はすぐに採用、品揃えしていきました。おかげでこのホームセンターは他のホームセンターとは比べ物にならないくらい商品の種類が豊富です。
地域のお客様はほしい商品が”他にはないだろうけど、ここにはあるだろう”という動機で来店します。集客力は抜群でした。
またこの用紙には従業員の名前を書く欄もあります。各店で年間の提出数、採用数が一番多い従業員は表彰され特別報酬がもらえます。この報酬欲しさに毎日新しい問い合わせを探している従業員もいるほどでした。
この会社の始まりは地方の金物屋です。その後出店数を増やしていき一部上場までしています。お客様の声を集めたことだけがこの成長の要因とは言えませんが、お客様の声を集めたことも成長の要因の一つだということは間違いないと思います。
その③:実績を検証して次に活かす
採用した商品は1か月から3か月くらいのスパンで実績を確認しましょう。よく売れていれば採用成功です。逆にあまり売れていないようなら採用継続の可否を考えます。
全ての商品においても言えるをことですが、販売実績の検証はとても大事です。近くに競合が立ち並んでいるコンビニでは特に死活問題です。
売り場面積の小さいコンビニは常に商品の検証を行い、売れる売り場を作っていかなければいけません。そうしないと売り場の魅力がなくなり、お客様は減ります。
他の商品との比較検証をすることでお客様からの声で採用した商品を継続して販売するべきかどうかがわかるでしょう。立地上置いておかなければならない商品以外で実績が芳しくない商品はカットするのも大事なことです。
今回はお客様の声から商品の新規開拓へ繋げていく方法を紹介しました。
お客様のニーズは常に変動します。今後もそのニーズにうまく対応していくことがこれからのコンビニ運営で大事な要素の1つとなるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。生き残りをかけた戦いはもう既に始まっています。できることから実践していきましょう。
~Let’s start now from what we can do~